高速道路のサービスエリアのトイレで小用を足していた、あれは年も押し詰まった頃。
別に急いでいたわけではない。
ただ、淡々と、いつものようにしていた。
隣に若い子ちゃんが二人立った。
スウェットパンツがパツパツしてて、姿勢がよくて、いかにも軽い。
運動系サークルの合宿に行く途中かしら?
その子らは、来たと思ったら、もういない。
え、と思うくらい早い。
こちらはまだ、途中。夢の途中。
小用所要時間というものがあるとしたら、
以前より長くなった側の世代になったのね。
でも別に勝負ではないし、競技でもない。
そもそも比べる必要もない。
そうやって言い訳を並べているあいだにも、
若い背中はさっさと手を洗って出ていっちゃった。
わたしは、まだ立っている。
たかがトイレの話。
誰に迷惑をかけるでもない。
それでも、ほんの少しだけ、がっかり。
まあいいわ。
小用所要時間が長いくらいで、
人生の価値は変わらない。
……たぶん。